Vercel、Bunランタイムが5GB大型関数と最長30分実行に対応
Vercel Functions の Bun ランタイムで、これまで Node.js / Python 限定だった「Large Functions」と「Extended Max Duration」がベータ提供された。パッケージ上限は250MBから最大5GBへ、最大実行時間は800秒から1800秒へ拡張される。いずれも Fluid compute の有効化が前提となる。
何が発表されたか
- Vercel Functions の Bun ランタイムで、従来 Node.js / Python のみだった 2 つのベータ機能が利用可能になった。
- Large Functions(ベータ): デプロイパッケージの上限が 250MB から 最大 5GB(非圧縮) に拡大。
- Extended Max Duration(ベータ): 関数の最大実行時間が 800 秒から 1800 秒(30分) に拡大。対象は Pro / Enterprise チーム。
- Large Functions は新規プロジェクトでは自動的に有効。2026年7月以前に作成した既存プロジェクトでは環境変数
VERCEL_SUPPORT_LARGE_FUNCTIONS=1の設定が必要。 - 最大実行時間はプロジェクト単位ではなく
vercel.jsonで関数ごとに指定する。 - 両機能とも Fluid compute の有効化が前提。Secure Compute や Static IP を使用しているプロジェクトでは現時点で利用できない。
実務への影響
Web制作の現場で Vercel 上に AI 機能を載せようとすると、これまで 2 つの壁にぶつかりがちだった。ひとつは依存関係の重さで、画像処理ライブラリや推論用のランタイムを同梱すると 250MB の上限にすぐ届いてしまう。もうひとつは実行時間で、生成AI にまとまった量のテキストや画像を処理させると 800 秒では足りない場面がある。今回の拡張はその両方を Bun ランタイムでも緩和するもので、「重いバッチ処理だけ別インフラに逃がす」という設計を取らずに済むケースが増える。
具体的な使いどころとしては、EC サイトの商品説明文をまとめて生成・書き換えるバッチ、大量画像のリサイズや代替テキスト付与、サイト全文を対象にした埋め込みベクトルの再生成といった、"数分から数十分かかるが常時動いているわけではない"処理が挙げられる。従来はこれらを別サーバーやキューワーカーに切り出す必要があったが、vercel.json で該当関数だけ maxDuration を伸ばせば同じデプロイの中に収められる。
一方で注意点もある。まず Fluid compute が必須なので、既存プロジェクトの構成を確認しておきたい。Secure Compute や固定IPを要件にしている案件(社内システム連携や、IP許可リストが必要な外部APIを叩くケース)では今回の機能は使えないため、要件定義の段階で切り分けておく必要がある。また、最大実行時間の拡張は Pro / Enterprise 限定であり、Hobby プランで検証してから本番に持ち込む場合は挙動が変わる点にも留意したい。
利用条件
- Fluid compute 有効化が必須
- Extended Max Duration は Pro / Enterprise プランのみ
- Secure Compute / Static IP 利用時は非対応
- 既存プロジェクトの Large Functions 有効化には
VERCEL_SUPPORT_LARGE_FUNCTIONS=1が必要
