『AI白書2026』調査 国内企業のAI投資拡大と人員削減は直結せず
角川アスキー総合研究所公式発表
日本調査導入実態AI白書
角川アスキー総合研究所が『AI白書2026』にあわせ公表した調査(2026年4月実施、有効回答310件)で、AI投資を増やす企業と横ばいの企業のいずれも、間接部門の人員減を見込む割合は約14%にとどまった。一方でシャドーAIの利用経験は管理職46.5%に達し、効果を定量的に把握する企業は上場でも37.0%だった。
調査で分かったこと
角川アスキー総合研究所は、2026年8月20日発売の『AI白書2026』にあわせ、独自調査「企業における生成AI導入の投資・統制・成果実態調査」を公表した。調査は2026年4月24日〜25日にインターネットアンケート(マクロミルのモニターパネル)で実施。上場企業または従業員300人以上の非上場企業に勤める経営者・役員および従業員が対象で、有効回答は310件(スクリーニング調査n=10,000から抽出)。
- AI投資を「増やす」と見込む企業と「横ばい」の企業の間で、間接部門の人員が「減少する」と見込む割合はいずれも約14%。投資拡大と人員削減が直結する傾向は確認されなかった
- 会社公式でないAIツールを業務に使った経験(シャドーAI)は、管理職46.5%、一般社員38.1%
- ルールやガイドラインが現場の実態に追いついていないと感じる割合は、管理職57.4%、一般社員47.1%
- ガイドラインを全社整備済みの企業でもシャドーAI利用は46.9%、一部整備の企業では50.0%。全社整備済みでもルールの限界を感じる割合は45.1%
上場・非上場の差も大きい。AI投資の増加見込みは上場80.1%に対し非上場50.0%、効果を定量的に把握しているのは上場37.0%・非上場13.7%、ガイドラインの全社整備は上場45.9%・非上場29.1%だった。
開発者・受託側への示唆
- 「AIで人員を減らせる」という前提の提案は、少なくとも国内の間接部門では今回の数字の裏付けが弱い。削減幅ではなく、業務の置き換え先を語る必要がある
- 全社ガイドラインを整えた企業でもシャドーAI利用は5割近い。規程を書くだけでは止まらず、公式に用意するツールの使い勝手そのものが統制の要件になる
- 効果を定量的に把握できている企業は上場でも4割弱。導入と同じタイミングで測定の仕組みを設計できると、提案の差別化になる
- 非上場企業は投資意欲もガイドライン整備も上場企業に見劣りする。小さく始めて効果を測る構成のほうが通りやすい
